富山県(マス寿司県)にいると言われる妖怪一覧

  • カッパ

水の怪。河童。上い川郡太田村─高崎家の御新造が厠で尻を撫でられたが、気丈な人で、逆に手足を抜いた。河童は泣いて許しを乞い、詫びの印に毎年鮭を台所の外に置いておいた。新川郡滑川─今井川の深淵に、子供が踊るときに鳴る、鈴の音がひびくことがある。ある僧が、早朝、川岸に背二尺余りの少女を見た。顔色白くて雛のごとく美麗。髪に簪をさし、衣服は五彩あって見事なものである。ただ両脚は出して白い膝が露であった。手元袖口に網のようなものが下がって、手もまた白い。笑いをふくんでいるようで、見つめあうこと数度、僧は全身が汗びっしょりとなった。そこに商人が三人通り、怪は水にもどった。

 

  • ガメ

水の怪。河童のこと。富山市太田─ガメの親方で千年も劫を経たものは頭の鉢に一合ほどの水を貯えている。これをひっくりかえされると死ぬ。

 

  • コナゲババ

道の怪。子投げ婆。富山。夜間、椎の木の下を通ると老婆が現れて、赤子を往来の人に投げつけて脅すという。赤子を切ると石となるので、ついに逃げ去ることになる。ある剛毅な男が赤子にかまわず老婆を切ると、血は男の仕える某屋敷の低い植え込みの中の大穴まで続き、ムジナが死んでいた。のち、この男は失態をし、この植え込みを飛び越しそこね、低い植木に足を取られて切り殺されたことから、屋敷では植え込みに手をいれないという。この怪の命名は白川まり奈『妖怪天国』に依った。

 

  • センポクカンポク

家にいる怪。東礪波郡利と賀が村でいう怪。死人のあった家の掛け蓆にいる。一週間経つと大戸の外に出て番をする。三週間は家にいて四週間くらいで墓へいく。顔は人のようで四つ足。蛙かえるの大きなもの、つまり蟆がまと同じもの。

 

  • ダンダンホウシ

道の怪。だんだん法師。倶利伽羅山打越。オオヒトの足跡があり、長さ九尺余、幅四尺ばかり。一股七、八里をへだてている。

 

  • ミズチ

水の怪。河童のこと。羽咋郡堀松村。河辺に淵端某という旧家で疳の薬を売っていた。この家の先祖が駒引きに失敗した河童から、助命の礼として製法を伝授されたものという。

 

  • ユウユウ

動物の怪。婦負郡桜谷村駒見。昼は老尼で夜は犬になってさまざまの怪をなした。ある時、山伏に足を切られ、この里に住まなくなった。三年ほどのち、射水郡荒山から駒見の八右衛門に手紙があったので犬の手跡といって人がみな見た。

 

  • ユキオン

雪の怪。雪鬼か。砺波地方では子供を脅すとき「ユキオンがくるぞ」という。

 

  • ヨウユウ

動物の怪。狼の怪。「ヨウユウ」という家で召使っていた姥。ある山伏が夜更けて呉服山の古阪を登ると狼の群れがつきまとった。山伏が喬木によじ登ると、狼は打ち重なり、その上に姥が跨またがって彼を引き下ろそうとした。山伏が短刀を抜いて姥の肘を切り落とすと下の狼も散った。翌朝、駒見村に入り、少し休もうと「ヨウユウ」の家に入ると姥が傷の痛みに泣き叫んでいたが、山伏の姿を見ると逃げ出して行方不明になった。